INTERACTIVE TRIGONOMETRY LAB

三角関数を
「音」で体感する

教科書では記号にすぎない公式が、 音として聴くと「ああ、こういうことか」と腹落ちする。 その瞬間を、ここで。

体験を始める

所要時間 15〜25分 / イヤホン推奨

Chapter 0

音は波、波は数式

再生ボタンを押してみてください。
「ラ」の音が鳴ります。オーケストラが最初に合わせる、あの基準音です。

y = sin(2π × 440 × t)
この音は、1秒間に440回振動する正弦波です。
数式がそのまま「音」になる。三角関数の旅は、ここから始まります。
Chapter 1

sin波を触る

振幅・周波数・位相

3つのスライダーを動かして、音と波形がどう変わるか試してください。

0.50
振幅(音量)
440 Hz
周波数(音の高さ)
0
位相(開始位置)
y = 0.50 sin(2π × 440 × t)
気づきましたか?
振幅を上げると音が大きくなり、周波数を上げると音が高くなる。
しかし位相を変えても、単独では何も変わらない。
位相は「2つ以上の波の関係」で初めて意味を持つのです。
CHALLENGE
スライダーを操作して、440Hz(ラの音)を作ってみよう。
Chapter 2

波を足す

三角関数の合成

同じ周波数の sin と cos を足し合わせると、何が起きるか。

a · sin θ
b · cos θ
合成波
1.00
0.00
R = √(a² + b²) = 1.00
α = arctan(b/a) = 0.0°
a sinθ + b cosθ = √(a²+b²) · sin(θ + α)
どんな a, b の組み合わせでも、合成結果は必ず「1つの sin 波」の形をしている。
2つの波を足しても、結局1つの sin に帰着する。これが合成公式の意味です。
Chapter 3 — Main Event

うなりを聴く

和積公式の正体

周波数がわずかに異なる2つの音を同時に鳴らすと、不思議な脈動が聞こえます。
これが「うなり」 — 和積公式が描く現象です。

f1 の波    f2 の波
合成波    エンベロープ(振幅変調)
440 Hz
440 Hz
周波数の差 0 Hz
sin A + sin B = 2 sin((A+B)/2) · cos((A−B)/2)
和積公式の意味:
「平均周波数」で振動する波が、「差の半分の周波数」で振幅変調される。
これがうなりの正体です。

楽器のチューニングでは、うなりが消える = 周波数の差がゼロになるところを探しています。

試してみよう:

1. まず「同じ音」— 完全な単音

2. 「1Hz差」— ゆっくりした脈動が聞こえる

3. 「5Hz差」— はっきりした「ワンワンワン」といううなり

4. 「10Hz差」— 速いトレモロ

5. 「40Hz差」— もはや2つの別の音に聞こえる

Chapter 4

オクターブの秘密

倍角公式

「ド」と1オクターブ上の「ド」 — なぜ同じ音に聞こえるのか。
答えは「周波数が2倍」、つまり倍角です。

262 Hz
基本周波数
基音 262 Hz
オクターブ上 524 Hz
sin(2θ) = 2 sinθ cosθ
基音の波形の中に、オクターブ上の波形がちょうど2回振動しています。
「倍角」= 文字通り「周波数が2倍」= オクターブ上。
倍角公式は、音楽の最も基本的な関係を記述しています。
Chapter 5

波で音を作る

フーリエ級数入門

sin波の足し合わせだけで、矩形波やのこぎり波を作れる。
項数を増やすと、音がどう変わるか聴いてみてください。

1
矩形波 = sinθ + 13 sin3θ + 15 sin5θ + …

項数による音の変化:

1項 — 丸くて柔らかいピーという音

5項 — 少し角ばった電子的な音

15項 — ファミコンのようなブザー音

20項 — ほぼ完全な矩形波

世の中のあらゆる周期的な波は、sin の足し合わせで作れる。
これがフーリエの大定理であり、音声認識・画像圧縮・MRIなど
現代技術の基盤です。
Epilogue

三角関数は世界の言語

心電図が描く波形。
スマートフォンの電波。
地震計の振動。
音声認識が聞き取る声。
JPEG画像の圧縮。

その全ての基盤に、三角関数があります。

教科書で「暗記すべき公式」に見えていたものが、
実は世界を記述する言語だった。

公式を覚えるのではなく、
意味を理解する。
それが数学の本質です。

私立医学部専門の数学塾「リネア」では、
公式の意味を翻訳し、本質的な理解を通じて
数学力を高める指導を行っています。

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